40歳、「大晦日に離婚届を出します」
「今年の締めは、大晦日に離婚届を提出すること」笑顔でそういうのはタカコさん(40歳)だ。2年前、同い年の男性に何度もプロポーズされて結婚した。
「私は結婚するつもりはなかったんです。母ひとり子ひとりだし、一生、母と暮らしていこうと思っていた。でも彼と付き合って1年、結婚するのも悪くないなと。母は『私はまだまだひとりで大丈夫だから、あなたはあなたで幸せになって』と言ってくれました」
ひとり暮らしの彼の部屋は、タカコさんの実家からも遠くはない。彼女が彼の部屋に越してもいいし、週のうち半分くらい別居という形での結婚もいいのではないか。タカコさんはそう思って彼に相談した。
「そうだね、結婚してからゆっくり考えようと彼も言ってくれて」
彼は結婚するために私をだました?
ところが結婚したとたん、彼は「実家に戻る」と言いだした。「彼の実家からだと、彼も私も出勤時間が今までの倍くらいかかるんです。冗談でしょと言うと『オレは親を放っておけない』と。ちょっと待って、あなたのところは両親揃っているし、実家近くに妹さん一家もいる。だったら私だって急にひとりになる母が心配だと反論しました。すると『きみはもう、うちの家族なんだから』って」
彼の苗字を名乗ることにしただけで、別にあなたの家に入ったわけじゃないと言っても、彼は聞く耳をもたなかった。
「耐えられなかった。母に言ったら、とりあえず行ってみたらどうかな、と。ダメならそのとき考えればいい。案外、大家族も楽しいかもよって。母に背中を押されて、引っ越しましたがうれしいというより、せつなかったですね。結婚してからそういうことを言い出す夫にも不信感を抱きました」
彼はあとからポツリと「結婚前に同居してほしいと言ったら、結婚してもらえないと思った」とつぶやいたという。「卑怯です」とタカコさんは断罪する。
>妻になれば言いなりにできると思っていた?