<目次>
「カルソッツ」とは? 国際的観光地バルセロナの冬を温めるごちそう
「カルソッツ」とは
季節・地域限定の絶品グルメ
アツアツのカルソッツ
calçots(カルソッツ、カタルーニャ語なので、スペイン語にはない文字çを使用)という名前の長ネギで、そのまま炭焼きにした料理のこともcalçotsと呼んでいます。冬の寒い時期に旬を迎え、例年3月から4月に祝われる聖週間(イースター)まで食べることができます。だいたい11月頃にレストランで提供され始めますが、レストランによっては12月に入るまで出さないところもあり、市場に並ぶのも、本格的に寒い冬が到来してからです。
この寒い時期にのみ収穫できるcalçots(カルソッツ)は、日本の長ネギよりも短くて太めで、甘みが強いのが特徴です。カタルーニャ名物グルメのcalçotsは、この長ネギ”calçots”をまるごと炭焼きにして、中心の白い部分だけを取り出し、ナッツやトマトのたっぷり入ったソースsalsa romesco(サルサ ロメスコ)につけて食べます。なぜこのような調理法が広まったかについては諸説ありますが、有力なのは、間違って黒こげにしてしまった長ネギを捨てずに剥いてみたら、以外とおいしかったという単純な理由のようです。
ビタミン、ミネラルが豊富で利尿作用があり、内臓をきれいにしてくれるといわれているため、寒い時期の風邪予防にはぴったりと言えるでしょう。
ガイドはこの料理が大好物で、日本からのお客様を冬にお迎えするときには、必ずカルソッツを食べに連れて行きました。最初は、「所詮はネギでしょ」と乗り気ではない人でも、必ずそのおいしさと、後述する楽しい食べ方に驚いて喜んでくれました。
カルソッツ(calçots)の食べ方
大きな口を開けていただきます
地元の人はレストランでカルソッツを食べない
日本からのお客様を連れて行こうとして、カタルーニャ出身の同僚や友人にお勧めのレストランを聞いても、はっきりした返事が帰ってこないことがしばしば。これは、地元の人は、市場や農家から直接カルソッツを仕入れて、郊外の別荘や友人、親戚の家に集まり、自分たちで炭火をおこしてお肉やカルソッツをバーベキュー(BBQ)して食べているためです。ソースのサルサ・ロメスクを手作りする人もいますが、このソースはスーパーでも手に入ります。地元の人にとって、北風に吹かれながら火をおこして、アツアツのバーベキューを楽しみながら赤ワインを飲む、というのが冬の楽しいイベントになっているようです。
レストランでのカルソッツの注文の仕方
地元に知り合いがいない旅行者でも、心配はいりません。バルセロナ市内のレストランでもカルソッツを食べることができます。ただ、炭火で焼ける窯が必要なので、市内でも、中心部ではなく近隣市との境など、少し奥まったところにあるレストランが狙い目です。インターネットでカルソッツを提供するレストランを事前に調べて、予約をしていくと安心でしょう。Quisiera hacer una reserva, ¿ya se puede comer calçots?
キシエラ アセル ウナ レセルバ。 ジャ セ プエデ コメル カルソッツ?
予約をお願いします。もうカルソッツは食べられますか。
レストランでは、calçotada(カルソタダ)と呼ばれるカルソッツのコース料理が頼みやすいでしょう。
前菜がカルソッツ、メインがbistec(ビステク、ステーキ)やbutifarra(ブティファラ、カタルーニャ地方のソーセージ)の炭焼きの盛り合わせ、alubias blancas(アルビアス ブランカス、白インゲン豆)の付け合せ、デザートにはcrema catalana(クレマ カタラナ、カスタードクリームの表面を砂糖でコーティングしたもの)がつくコースが一般的です。
Voy a pedir un menú calçotada.
ボイ ア ペディル ウン メヌ カルソタダ
calçotadaコースをお願いします。
スペインのグルメは、パエリアや生ハムだけではありません。冬のバルセロナで、カタルーニャ地方地方限定、季節限定の絶品料理をぜひご賞味ください。
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