不審者撃退に最も効果的なものとは?
なるべく何人かで登下校しましょう
何か非常事態が起こったと周囲が感じてくれるような、低くて大きな声を長く出す練習をしておきましょう。一度練習をしておけば、とっさに使える確率が高くなります。
「お母さんが入院したから病院まで送っていってあげる」というのも、よく聞く手口です。この人を信用していいのかどうかわからない、でも、お母さんは心配、ということで、子どもは戸惑います。どうすればいいのか判断に迷ったときは、一人で判断しないように伝えましょう。学校の先生や、近所の人を呼びに行くなど「(身元を)知っている大人」に判断してもらうための行動を促すことが大切です。不審者なら、誰かを呼びに行って戻って来たらその場にいないはずです。
傷つけようとしてくる大人に配慮しなくていい
防犯ブザーを鳴らすのは失礼じゃないかとか、無視したら気を悪くするんじゃないかとか、この人は困ってしまうんじゃないかとか、けなげに考える子どもは少なくありません。しかし、自分が感じた怖さを最優先していいと伝えましょう。子どもを怖がらせたということだけでも、相手の大人が悪いのです。こわいと思ったら、逃げることが最優先です。「どんな手段を使ってもいいから、逃げろ」と伝えておきましょう。ランドセルを放り投げて逃げてきてもいい、服がどろんこになってもいい、などと、具体的に伝えておくと、咄嗟の場面で子どもは躊躇しないで済みます。
もし掴まえられてしまったら、頭突きをしようが目つぶしをしようが噛みつこうが、どんな方法を使っても逃げてくるよう伝えましょう。子どもを傷つけてこようとしている大人に配慮は無用です。相手を怯ませて逃げるための攻撃はためらいなく思いきり行わないと逆効果です。
でも、間違っても「やっつけよう」とは思わないこと。武道を習っている子どもには特に言って聞かせておきましょう。
小さい骨の多い足の甲を踵で思い切り踏むとか、掴まれた手は小指から引きはがすとか、不審者から逃げるための、女性や子どもを対象にした護身術の講座(WEN-DO)も各地で開催されていますので、一度受けておくのもいいでしょう。
子どもの落ち度を責めない
暗い道をひとりで歩かないとか、知らない人に気をつけるというのは、自衛の手段ではあります。しかし、被害にあった子どもを「気をつけなかった(自衛が足りなかった)からだ」と責めるのはお門違いです。こわい思いをしたと子どもが話してきたときに責めてしまうと、それから子どもは親に被害を打ち明けにくくなります。悪いのは不審者です。「こわかったね」と子どもの気持ちを受け止め、「よく話してくれたね」と抱きしめてあげましょう。子どもが落ち着いて、相手の情報や状況を聞き出せたら、学校や警察に連絡を入れてください。
「今度から気をつけるのよ」と言いたくなることでしょうが、その場面では禁句です。子どもは自分の落ち度を責められたと感じてしまうからです。どうしても言いたければ、「これからどうしたらいいと思う?」と子どもにきいて、一緒に考えましょう。