被害にあうのは女の子だけではありません
学校からの不審者情報メールの最後にテンプレのように貼り付いている「児童の安全管理について、各家庭におかれましても、ご指導お願いいたします」といった文章。でも、具体的にどう「指導」していいのかわからないという人も多いのではないでしょうか。
子どもが自分で身を守れるように、親は何を伝えておけばいいのでしょうか。もし被害にあってしまったとき、親はどのように対応すればよいのでしょうか。
基本は「いかのおすし」
防犯の合い言葉としてよく知られている「いかのおすし」。札幌方面豊平警察署ホームページ > キッズコーナーより
・知らない人の車に「の」らない
・こわいと思ったら「お」お声でさけぶ、防犯ブザーを鳴らす
・こわいと思ったら、大人がいるほうに「す」ぐ逃げる
・こわい思いをしたら、どんな人が何をしたのかを、信頼できる大人に「し」らせる。
子どもたちにはかなり浸透していますので、これに少し補足をしてあげるといいでしょう。
知らない人とは「身元を知らない人」
知らない人というのは、「身元(住んでいるところや、何をしているか)を知らない人」のことです。身元を知らない人でも、何度か話していると、子どもにとっては「(顔を)知っている人」になってしまい、警戒心が薄れます。計画的に子どもと接触して、連れ去りを目論む加害者もいますので、注意が必要です。反対に、洗濯物を干していたり、ゴミを出していたり、井戸端会議をしているような「近所の人」にあったら、挨拶をするように言いましょう。一軒家に住む人たちは、入れ替わりの激しい集合住宅の住人よりも、地域に根ざした人間関係を持っています。子どもからの挨拶によって、コミュニティの中で子どもを見守る目を育ててくれることでしょう。いつも挨拶をしている人は、何かあったときに子どもが頼りやすいものです。
「こども110番の家」といった、何かあった時に子どもが駆け込める家ですよ、というプレートがあります。地域によってデザインは違いますが、一軒家やお店の玄関に表示されていますので、子どもの通学路を一緒に歩いて、プレートをチェックしておきましょう。
「知らない人」とは1.5メートル以上離れて話す
(身元を)知らない人に話しかけられた時の安全な距離は、1.5メートル以上です。これは大人が手をのばして触れ合わないくらいの距離です。これくらいの距離があると、つかまえられそうになっても逃げることができます。1.5メートルというのは、公的な距離で、相手をあからさまに避けていると感じさせない「失礼のない」距離でもあります。子どもと手をのばし合って、実際の距離を体感しておきましょう。
注意しなければならないのは、車の中から話しかけられる場合です。ドアを隔てようが、知らない人との距離は1.5メートル以上をキープするのが基本だと教えましょう。
声かけ事案で多いのは「道をたずねられた」というものです。しかし「まともな大人は子どもに道をきかない」と教えましょう。声をかけられたら、知っていても「わかりません」とその場を立ち去ってもいいし、無視しても構いません。本当に困っている人は、大人に道をきくものです。
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