極上RIETで狙う利回り配当生活
中国の国際的な窓口である香港の不動産市場は日本と異なり大きな可能性がある
そしてリートにおいては利益の分配金に対する利回りが重要であり、それは「一株当たり分配金/株価」で測られるものです。従って株価が下がるほど利回り魅力が増すことになり、あとは保有する不動産が市況悪化を受けて賃料ダウン(空室率増加、賃料低下)とならないかをチェックすればよいのです。
賃料収入さえ悪化しなければ分配金は減らないので、安値で買えた分だけ利回りがアップします。アジア最大の不動産リートであるリンクリート(00823)は香港で最
初に上場されたリートでもあり、株価は堅調です。どうして堅調なのかを紐解くと、港の生活に密着した商業施設と駐車場を分散して保有しており、賃料ダウンの心配が薄いことがあります。しかも財務内容も良いのです。
現在同リートの今期予想利回りは4.44%で、他の競合リート商品より利回りは低くなっています。それは裏を返せば株価が堅調だということで、他社は株価下落で利回りアップしているものの、業績は不安定との判断が(株式市場によって)下されていることになります。
日本のREITを圧倒的に上回るスペック
規模で言えば、日本最大のリートで、三菱重工ビルなどを保有する日本ビルファンド(現在分配金利回り3.96%)の時価総額が4400億円に対し、リンクリートは6000億円ほどとなります。保有物件の総面積はあまり変わりません。しかし売上となる賃料収入はそれ以上に差が開いており、リンクリートが525億円あるのに対し、日本ビルファンドは280億円しかありません。純利益率は経費の低さと税率によりますが、リンクリートが46%あるのに対し、日本ビルファンドは31%です。一方保有物件の資産額は、東京一等地中心の日本ビルファンドが8000億円近くもあるのに対し、一等地の香港島のセントラル地区を避けているリンクリートの方は7000億円足らずでしかありません。つまり、より少ない資産価格に対してより大きく儲けているリンクリートのほうが、断然不動産投資としての効率は高いことになります。しかも、日本の商業ビルはこれから賃料が下がっていく可能性が高いように思えますが、中国の国際窓口である香港の不動産には、まだまだ大きな可能性があるように見えます。加えて言えば、負債比率はリンクリートの方が遥かに低く、財務も安定しています。
もっとも、優良な不動産リートであるだけに安値には中々ならず、PER,PBR、分配金利回りの全てにおいて、香港リート中で最も割高となっています。それだけ事業内容が安定して強いということであり、下がりにくいとは思いますが、もしも今後、米国経済がリセッション入りするのであれば、大きく下がる可能性もありますので、そのときにタイミング良く、同社のような優良リートを購入できれば、配当生活も決して夢ではありません。